SAUNA COLUMN

第5回 病を癒すメディカルサウナ「和温療法」

サウナを活用した、体に優しい温熱治療

2008年11月8日に横浜市で開催された「日本補完代替医療学会学術集会」において、鹿児島大学医学部教授/鄭 忠和先生の「和温療法:患者にとって理想的な治療法」というテーマの特別講演を聴いて来ました。「和温療法?」…私も初めて聞く言葉でしたが、講演を聴いていく中で驚きと感動を覚えました。その「和温療法」とは、なんとサウナを使った「温熱療法」だったのです!さらに、サウナが治療器具として大学病院の医療現場で使われている事実と、数多くの実績に裏づけされた学術的なエビデンスも存在したのです。「なごむ・ぬくもり」という意味で命名された「和温療法」。鄭先生は平成元年からこの温熱療法に取り組んで来たようですが、「和温療法」を次のように定義しています。

「全身を60℃の乾式遠赤外線サウナで15分温め、深部体温を約1.0℃~1.2℃上昇させた後、さらに30分間の安静保温で和温効果を持続させ、終了時に発汗に見合う水分を補給する治療法である。」

私が感銘を覚えたのはその効果も然ることながら、患者に苦痛を与えることなく爽快な汗をかくことによって治療効果があがる、いたって体に優しい治療法であるということにあります。病気の種類や症状によりサウナに入る時間や回数を変えるので、素人が単純に模倣しても効果はなく、鄭先生の指導を受けた医師の指導と立会いのもとでのみ治療効果が表れるようです。

待ち望まれる、医療とサウナの融合

私もサウナ業界に身を置いて二十数年経ちますが、実際に西洋医療の最先端である大学病院において、サウナによる温熱治療が医師の手によって施され、しかも大いなる効果をもたらしている事実に驚くと同時に、サウナのポテンシャルの高さを知りました。「和温療法」は今のところ医療保険の対象になっていないようですが、早く保険が適用されて、より多くの患者さん達がこの快適な治療で病気を治せるようになってもらいたいと切に願わずにはいられません。
「冷えは、万病の元。」と昔から言われています。これからの季節、特に体を冷やしたままにしないように心がけてください。ちょっと風邪気味かなと感じたら、サウナへ入って汗をたくさんかいて、ビタミンCをたくさん摂って睡眠をたっぷりとると治ってしまいますよ。